ローレンスレッシグが出してる
日本で訳された二冊目の本で「コモンズ」、共有地とか共有財っていう概念、
コモンズっていうタイトルの本があるんですけどね
これでね非常に面白いことを言ってるんですよ
まそれを言う前にね
まず僕はあの社会システム理論みたいな数字的なこともやってるんですけども
若者文化論みたいなフィールドワークもやっていて
政治社会思想史も僕の専門の一つなんですね
今の最先端の政治思想社会思想の課題は何かって言うとね
「知らぬが仏」っていう価値観を人は超えられるかってことなんですよ
「知らぬが仏」っていう価値観を越えられるか。
実はそのローレンスレッシグのコモンズっていう本は
まさにその問題に照準してるんですね
すごく分かりやすく説明するとインターネットは最初
自由の幻想に取り巻かれていたわけですね
ところが要はそのコンテンツに関わるですね
利権を温存しようという既得権益勢力が著作権をてこにしてですね
要するにインターネットの自由を抑えるような方向で
簡単に言うとその課金認証システムを例えば他にもあるんだけど
課金認証システムを徹底してリジット(厳重)に構築することによってね
インターネットから匿名性を排除して誰が何をどれだけ利用したのか
わかるような方向に持ってきたわけ。
で、それだけではなくてですね
要はインターネットで流れる
音楽や動画のコンテンツの権利を従来にも増してがちがちに縛って
その非常にしょぼいコンテンツしかインターネットで流れないように
逆に言うとインターネットに流れる実りのあるコンテンツは
うちらが出すしかないんだよみたいにね
既得権益、をレコード会社とかテレビ会社、
こういったところが抑えるっていうような方向になった訳ですね
でローレンスレッシグがそれを非常に危惧していて
で、本来ですねえそのようなリジット(厳重)さがなければ
人々が享受できるコンテンツがあるはずだ
あるいは人々が享受できる様々な利用の方法があるはずだ
だけど、それが覆い隠されてしまっていると。
で、それレッシグがですね
どういう対処策を出すのか
っていうところが非常にアメリカ的なんだけどね
人々はもはや知らぬが仏で要はね、自分たちが何を阻害されているかとか
何を騙されているかなんてことも知りたくないと
なんでかっていうと知らないで騙されてても気持ちいいし楽しいし
映画見れるし音楽聞けるし
別にいいよってみんな思ってる。
だとしたらね、国民の声をベースにして何かやることは難しい
じゃあどうしたらいいか
統治権力である政府は建国の本気に立ち返り
合衆国修正第10条、Amendmentも精神に立ちかえって
国民の世論とは無関係にですね
断固インターネットの民間による独占を規制するべし
というふうに言うんですよ
つまり簡単に言うということ言ってるわけ
あのー本当だったら民主制を生かしてね
人びとの声によってインターネットの不自由化を抑制すればいいけれども
実際にはインターネットで進行している事態は
人々に不自由の苦しみを与えないような形で独占や寡占
寡頭制を進行させていくようなプロセスだから国民の声は
永久に上がらない、だったら憲法の本義すなわち先祖の声に立ち返って
徹底した規制を政府に要求しようではないか
で、僕はこれを聞いた時にアメリカはいいなと思いました
ご先祖様の声を聞けるんですよ
アメリカはまだ。Amendmentに立ち返れば。
逆に言うとうちらはですね
日本人はローレンスレッシグのこの処方箋は全く役に立たないんですよ
だって、どこに耳を向けたってご先祖様の声聞こえてこないもん
そこがね、実は憲法問題の大変に重要なことでね
立国の本義あるいはその社会契約の本義をね
我々は憲法に書き留めたっていう時のその我々にはね、そのご先祖様から
連綿と続く地ならざる意思の系譜があるという風に信じられる訳。近代国家では。
だからローレンスレッシグのような処方性が意味を持つんですが
残念ながら日本全然だめでしょ
別に押し付け憲法論をここで言ってる訳じゃないんですよ
だって押し付けられなくてもし自分で作ったってですね
大した民意もなかったわけだし
憲法を作る能力もなかったんでですね
GHQの草案をそのまま受け入れただけの話で誰も押し付けじゃなくて
馬鹿だったからそうなったんですけども
だからいずれにしても押し付けられるがられまいが
我々が我々の側に立憲に関わるあるいは立国に関わる憲法意思もね
立法意思もないんだから、だから我々はもともと
こういう社会契約でこの社会を営むという風に決めた以上ね
我々今忘れているけどやっぱりその先祖の意思に立ち返ってさ
この不正を正さなかったらおかしいじゃないかっていう風に自分を勇気づけることができない
言い換えればレジティマシー、正当性を調達できない
そういう人がその根拠として示すものがわからないですよね
やっぱり何か参照しないとね、人は「そうかちょっとじゃあそれに従ってみよう」っていう風に
自発的な服従の意思を持つことは、ありにくい
昔は吉田茂っていうか保守本流が憲法出したんですよね
アメリカ軍隊出せって言ってるけど
日本では憲法があって出せないよ
だから自然権としての防衛圏
これ自然権として防衛権も最初吉田茂は国会で否定してるんですよ
そんなものを認めるって言ったら、際限なく軍備に正当性がはたらいてしまうから
それは駄目だったんだけど
アメリカに、簡単に言うと是々非々っていうかですね取引でですね
ここまでは
できるけどここから先はできませんっていう取引をするために
自然権としての防衛権があるっていうことを言ったわけね
だからそれも
最初はアメリカに言うがままにならないための線引きをするための
自然権としての防衛権としての保安隊なんですよ
それも皆さんは全然忘れちゃっててね
だから防衛権があるからいくらでも拡張していいんだっていう風に拡張して
結局アメリカに穴舐めるだけでしょう
国際的には恥晒しっていうね
この状況に気が付かないわけですけどもなんかね
要はそのそのメディアだけの問題じゃなくてやっぱり皆さんがね
その日本っていう国が戦後持っているそもそもその簡単にくつがえすことができない困難をよく分かってないんだと思うんですね
アメリカに比べればね、日本はやっぱり駄目な国なんです。かなり。
だって立ち返って参照する場所がないんですもんね
下手に参照しようとするとですね。天照大御神になっちゃったりしてですね
あのー何か訳の分からないものになっているわけです。
参照してもいいけど日の丸参照してもなんのメッセージも出てこない
星条旗を参照したりね、あのフランスのですね、星条旗を参照すれば
トリコロール参照すればそこからメッセージ出てくるんですよ
それがだからヘリテージだよね
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